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歯科医が教える子供の歯並び相談のタイミング

子供の歯並びが気になると感じていても、いつ矯正治療を始めたらいいのか、子供の歯並びの矯正治療には、どのようなものがあるのかわからないと悩んでいる親御さんも多いようです。

今回は、子供の歯並びの相談のタイミングについて解説しますので、参考にしてみてください。

子供の矯正治療とは?

子供の歯の矯正は、「第一期治療」(乳歯列・混合歯列の6~12歳)と、「第二期治療」(永久歯が生え揃った12~13歳以降)の2段階に分けて行われます。

そして、第二期矯正治療は、成人に行われる矯正治療と同じ方法で行われます。

第一期矯正治療を行っても歯列の問題が残る場合は、第二期矯正治療が必要ですが、問題がなければ第一期矯正治療のみで終了できることもあります。

また、第一期矯正治療の後、第二期矯正治療をする事になったとしても、固定装置をつけての治療期間を短縮できたり、簡単な治療で済む可能性があります。

子供の歯の矯正治療の中でも第一期治療は、将来永久歯がすべて生えそろった時に、正しく美しいかみ合わせの基礎を作ることを目的として行われます。成長途中の子供のうちに顎や骨の位置を整えておくと、将来の悪い歯並びを事前に防ぐことができるからです。

早く矯正治療を始めたほうがいい症例

受け口(反対咬合、しゃくれ)の場合

受け口は、下の歯が上の歯よりも前に出ている歯並びの事です。受け口には骨格に由来する症例と、単純な前歯の位置異常に由来する症例がありますが、骨格に由来する受け口の症例の場合は、3~5歳ごろに治療を始めると良いとされています。

受け口は成人してから治そうとすると、外科的な手術をしなければならないケースが多く、大変負担が大きくなります。

しかし、成長期に始めるのであれば負担が少ない治療方法があります。

それは、「ムーシールド」というマウスピースのような装置を就寝時に装着して治療する方法で、3~5歳の子供に用いられる治療です。就寝時に装着するため、子供さんの負担が少ないというメリットがあります。

永久歯が重なって生えてきている症例や開咬(オープンバイト)の場合

乳歯から永久歯に生え変わる、6歳から10歳ごろが矯正のスタートに適しているといわれています。

この年齢は顎が大きく成長する時期なので矯正治療に必要な骨格のバランスを整えやすい時期です。

顎が成長してしまった後に矯正する場合は、歯が並ぶためのスペースを確保することが困難ですので、矯正をするために抜歯が必要になるケースが多く、とても負担がかかります。

しかし、子供の矯正では、舌の動きの癖を治したり顎の成長を補正したりして、将来永久歯が生えてきた時のスペースを作ることができる可能性があります。

治療方法は、取り外しできる拡大装置、固定式の拡大装置、フェイシャルマスク、ヘッドギア、成人矯正で行うようなワイヤー矯正などさまざまです。

歯並びが悪いことで起こりうるトラブル

歯並びが悪いと、どんなトラブルが起こるのでしょうか。具体的な例を挙げてご紹介します。

見た目の印象が良くない

歯並びが悪いと、見た目の印象があまり良くありません。

そのため、口元がコンプレックスとなってしまう方が多いです。「自分の顔に自信がない」「口を開けてうまく笑えない」「口を開けて大きな声で話せない」などという方もいます。

虫歯や歯周病のリスクが大きい

歯並びが悪いと、歯と歯の間などに食べ物や歯垢が溜まりやすく、また歯磨きがしにくいです。そのため、虫歯や歯周病のリスクが大きくなります。

体がゆがむ

歯並びが悪いと、顔や体の左右のバランスが崩れてしまうことがあります。例えば口角の上がり方が左右で違ったり、目の位置が違ったり、顎がゆがんだり、背骨がゆがんだりすることがあります。

頭痛や肩こり

不自然なかみ合わせで噛んでいると、顎周りの筋肉が異常に緊張してしまい、筋肉が硬くなって血行が悪くなるため頭痛を起こすことがあります。

また、顎や肩、首にかけて筋肉が緊張するため、肩こりや首の痛みが起こることもあります。

咀嚼機能の低下や胃腸障害

歯並びが悪いと、食べ物をうまく噛めません。食事をよく噛んでから飲み込まないと胃腸に負担がかかるため、胃腸障害を起こすことがありますし、肥満を招く可能性もあります。

鼻炎

歯並びが悪いと気道や鼻腔が狭くなり、呼吸状態が悪くなる、鼻炎になるなどの症状が出ることがあります。

発音が悪くなる

特に開咬(オープンバイト)の場合、発音が悪くなったり滑舌が悪くなることがあります。

学習能力の低下

奥歯の噛み合わせの良し悪しは、学習能力に影響を与えていると言われています。

運動能力の低下

歯並びが悪いと全身のバランスが悪くなり、運動の際のフォームが崩れてパフォーマンスが最大限に発揮できないと言われています。また、歯を食いしばって力を発揮することが難しくなります。

その他さまざまな不調

悪い歯並びは、顎や頭のバランスを崩してしまうことがあり、結果、頭を支える頚椎、脊椎もずれてしまい、さまざまな体のトラブルが起こることもあります。

血液の循環も悪くなるかのうせいがあり、そうなると自然治癒力や免疫力が衰え、いろいろな病気を引き起こす原因になります。

まとめ

成長途中の子供に行う小児矯正は、成人矯正よりも顎や歯列などを動かしやすく、負担が少なくて済むというメリットがあります。
また、乳歯から治療を開始することで永久歯が生えるスペースを確保し、悪い歯並びを事前に防ぐこともできます。
ただ、すべての方が早く矯正を始めたほうがいいというわけではありません。歯並びは人それぞれですので、最適な矯正治療の開始時期はその人によって違います。
すぐに矯正を始めた方がいいのか、まだ様子を見ていていいのか、子供の歯並びが気になるようでしたら、まずは歯科医師に相談しましょう。
歯並びが気になるなと思ったときが、相談のタイミングです。
早めに歯科医院で相談し、必要であれば適切なタイミングで矯正治療を開始しましょう。

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