News
医院ブログ
ブログ
口呼吸は歯並びの敵!「お口ぽかん」を改善するトレーニング(MFT)とは
お子さんの様子を見ていて、「いつも口がぽかんと開いている」「テレビを見ている時に口呼吸をしている」と気になったことはありませんか?実は、この「お口ぽかん(口呼吸)」は、歯並びを悪くする最大の原因の一つです。
今回は、なぜ口呼吸が歯並びに悪影響を与えるのか、そしてそれを改善するためのトレーニング「MFT(口腔筋機能療法)」について、詳しく解説していきます。
【小児矯正関連記事】
・矯正が必要な子どものサインがある?早期発見できるチェックリスト
・ワイヤー矯正を嫌がるお子さまへ。目立たない矯正「インビザライン・ファースト」
Contents
なぜ「お口ぽかん」は歯並びを悪くするのか?
多くの親御さんは「歯並びは遺伝で決まる」と思われがちですが、実は「舌」や「頬」「唇」の筋肉のバランスも大きく関わっています。
1. 歯は「筋肉の圧力」の境目に並ぶ
歯は、内側からの「舌の押し出す力」と、外側からの「唇や頬の抑える力」が均衡する場所に並びます。口が常に開いていると、外側からの抑えが効かなくなり、歯が前へ突き出たり(出っ歯)、ガタガタになったりします。
2. 舌の定位置が下がる「低位舌」
正常な状態では、舌の先は上顎の裏側の盛り上がった部分(スポット)に触れています。
しかし、口呼吸をすると空気の通り道を確保するために舌が下に落ちてしまいます。これを「低位舌(ていいぜつ)」と呼びます。
上顎を内側から広げる舌の力がかからないため、上顎が狭くなり、歯が並ぶスペースが不足してしまうのです。
3. 顎の発育不全
口呼吸を続けていると、顔の筋肉が正しく使われません。その結果、下顎が後方に退がったり、顔が上下に長く伸びたような「アデノイド顔貌」と呼ばれる顔立ちに影響することもあります。
口呼吸が引き起こすその他のリスク
歯並び以外にも、口呼吸には多くのデメリットがあります。
-
むし歯・歯周病・口臭:口の中が乾燥し、唾液による自浄作用が低下するため、菌が繁殖しやすくなります。
-
風邪やアレルギー:鼻という高性能なフィルターを通さず直接冷たく汚れた空気を吸うため、喉を痛めやすく、アレルギー体質になりやすいです。
-
睡眠の質の低下:いびきや無呼吸の原因となり、脳に十分な酸素が行き渡らず、日中の集中力低下を招くことがあります。
歯並びの土台を整える「MFT」とは?
「お口ぽかん」を治すために有効なのが、MFT(口腔筋機能療法:Oral Myofunctional Therapy)です。
MFTとは、歯並びを取り巻く筋肉(舌、唇、頬など)を正しく機能させるための訓練です。
たとえ矯正治療で歯を綺麗に並べたとしても、この筋肉のバランスが悪いままだと、治療後に歯並びが元に戻ってしまう(後戻り)リスクが非常に高くなります。
MFTの主な目的
-
舌を正しい位置(スポット)に置けるようにする
-
正しい飲み込み方(異常嚥下の改善)を習得する
-
唇の力をつけ、口をしっかり閉じられるようにする
-
鼻呼吸を習慣化する

自宅でできる!代表的なMFTトレーニング
歯科医院での指導に基づき、ご自宅で毎日数分間継続することが大切です。代表的なメニューを紹介します。
1. スポットの確認
舌の先を、上顎の前歯のすぐ後ろにある膨らみに当てます。ここが舌の「定位置」です。
-
ポイント: 歯に直接触れないように注意します。
2. ポップ(舌の吸い上げ)
舌全体を上顎に吸い付け、「ポンッ」と音を立てて離します。
-
回数: 10回〜15回程度
-
効果: 舌を持ち上げる筋肉を鍛え、低位舌を改善します。
3. あいうべ体操
口を大きく動かして、「あー」「いー」「うー」「べー」と発声します。
-
ポイント: 「べー」の時は舌を思い切り下に出します。
-
回数: 1日30回を目安に。
-
効果: お口周りの筋肉(口輪筋)を鍛え、口を閉じる力を養います。
4. ボタン引っ張りトレーニング
大きめのボタンに紐を通し、ボタンを歯と唇の間(前歯の前)に入れます。紐を引っ張り、ボタンが口から飛び出さないように唇の力で耐えます。
-
効果: 唇の筋肉をダイレクトに鍛えることができます。
歯科医院での小児矯正とMFTの併用
当院では、装置を使った矯正治療だけでなく、このMFTを非常に重視しています。
特に「マイオブレース」や「プレオルソ」といった取り外し式のマウスピース型矯正装置は、装置そのものがMFTをサポートする構造になっています。寝ている時や日中の数時間装着することで、舌の位置を誘導し、鼻呼吸への移行を促します。
矯正を始めるタイミング
「お口ぽかん」が気になるなら、永久歯が生え揃う前、6歳〜9歳頃に一度ご相談いただくのがベストです。成長期の力を利用することで、骨格的な改善が期待でき、将来的に抜歯を伴う本格矯正が必要なくなる可能性が高まります。
まとめ:正しい呼吸と筋肉が、一生の健康を作る
歯並びの悪さは、単なる「見た目」の問題だけではありません。その背景にある「口呼吸」という生活習慣が、お子様の健康や成長を阻害している可能性があります。
MFTは地道なトレーニングですが、親子で楽しく取り組むことで、一生モノの「正しい呼吸習慣」と「綺麗な歯並びの土台」をプレゼントしてあげることができます。
「うちの子、口が開いているかも?」と少しでも不安に思われたら、まずは定期検診を兼ねてお気軽に相談にいらしてください。お子様の未来の笑顔のために、一緒に最適な方法を考えていきましょう。
当院では奈良県香芝市で小児矯正の無料相談を行っております。ぜひお気軽によしむらファミリー歯科へご相談ください。